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レーザーコンプトン散乱ガンマ線を用いて50年前に予言された光核反応理論を実証

レーザーコンプトン散乱ガンマ線を用いて50年前に予言された光核反応理論を実証
-超新星ニュートリノ反応の解明や核セキュリティへの応用が期待される-

本研究成果のポイント
高エネルギーのガンマ線が原子核に入射すると光核反応が発生し中性子が放出される。直線偏光したガンマ線が入射した場合、放出された中性子は角度によって強度が異なり、その強度IはI=a+b・sin(2φ)(φは直線偏光面からの角度)という非常に簡単な式になることが1957年に理論的に予言されていた。しかし、高輝度の直線偏光ガンマ線を発生させる装置が存在しなかったため、この理論は実証されていなかった。近年、レーザーコンプトン散乱ガンマ線装置が開発され、直線偏向したガンマ線を容易に生成可能になった。そこで、ニュースバル放射光において、直線偏光したガンマ線を金、銅、ヨウ化ナトリウムの物質にそれぞれ別に照射し、そこから放出される中性子の強度を計測した。その結果、3種類の物質において、中性子の角度に対する強度が、I=a+b・sin(2φ)になることが判明し、理論的予言が正しいことが証明された。
本研究成果は、原子核物理学における50年以上にわたって実証されていなかった理論を実証するものである。さらに、原子核物理学や宇宙核物理学の発展に貢献する。例えば、この光核反応を用いて、ニュートリノと原子核の相互作用の強さを評価することが可能である。この相互作用の強さは、超新星爆発の初期に恒星の中心部で発生したニュートリノが鉄やケイ素と反応して、超新星爆発の引き起こすメカニズムの解明に必要な物理量である。また、この手法は、不正に密輸出入されようとする核物質の探知などにも将来的に応用が期待される。なお、本研究はPhysics Letters B 2014年8月下旬に出版された。

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