New SUBARU BL9a

　

Welcome to NewSUBARU BL9 HP

ＢＬ担当者：新部正人　niibe@lasti.u-hyogo.ac.jp

 

 

＜研究目的＞

　本ビームラインはニュースバル長尺アンジュレータ（ＬＵ）より発生する部分コヒーレントな放射光を利用し、軟Ｘ線結像光学系の波面収差を干渉計測することや高輝度放射光を用いた材料分析研究を目的としています。
現在ＢＬ９で研究されているテーマは主に３つあり、それらは


１．極端紫外線（ＥＵＶ）干渉計によるＥＵＶ露光光学系の波面収差計測法の開発
２．ＥＵＶ露光装置のコンタミネーション防止機構の研究
３．高輝度軟Ｘ線を用いた吸収・発光分光実験ステーションの開発
です。

 

＜光源＞
＜ビームライン＞
＜分光器＞
＜アンジュレータスペクトル＞
＜偏光性＞

＜NS-HP_BL9＞

 

 

＜光源＞

光源は全長約１１ｍの長尺アンジュレータ（ＬＵ）です。Planar型で、遮蔽トンネル内に設置されています。下表にＬＵの特性およびニュースバルの現在運転中のビームパラメータを示します。

 

Fig. 1 : ニュースバル長尺アンジュレータ(10.8 m)

 

 

表１．ニュースバル長尺アンジュレータ（ＬＵ）のパラメータ

電子ビームエネルギー （1.0 GeV） （1.5 GeV）
全長 １０．８　（ｍ）
周期長／周期数 54 (mm) / 200 54 (mm) / 200
Ｋmax 2.5 2.5
出力光エネルギー 1st 60 - 170 (ｅＶ) 110 - 330 (ｅＶ)
出力光エネルキー 3ed 180 - 450　（ｅＶ） 300 - 1000 (ｅＶ)
蓄積電流 250 mA (topup mode), 350 mA (decay mode)
エミッタンス 40 (nm*rad)
30 （設計値）		 〜80 (nm*rad)
67 （設計値）
ｘｙカップリング 〜4 % 〜1 % (non-shaker)
エネルギー拡がり 0.05 % 0.07 %
ＬＵ中心でのβ βx: 1.67 (m), βy: 6.71 (m) βx: 〜2 (m), βy: 〜7 (m)

 

[1]

"ニュースバルの到達点"
安東愛之輔、服部正、細野和彦、神田一浩、木下博雄、松井真二、銘苅春隆、新部正人、内海裕一、渡邊健夫
放射光、15, 366-346 (2002).

[2]

"Beam Based Search for Linear Imperfection Field in 11m Long Undulator at NewSUBARU",
Y. Shoji, S. Miyamoto, M. Niibe, S. Hashimoto, A. Ando:
Synchrotron Radiation Instrumentation, AIP Conf. Proc. 705, 247-250 (2004).

 

 

＜ビームライン＞

　Fig.2に回折格子分光器ビームライン（ＢＬ９）の模式図を示します。初段のミラーＭ０は遮蔽トンネル内に置かれ、水平方向の偏向と集光を行う球面鏡です。Ｍ１，回折格子、出射スリットで分光器（Monk-Gillieson型不等間隔溝平面回折格子分光器）を構成します。Ｍ２は鉛直方向、倍率１の偏向・集光を行う球面鏡です。Ｍ０上流およびＭ０−Ｍ１間に４象限スリット（4WS, 4Q）があります。Ｍ０、Ｍ２の下流に光電板、 SLIT（Ｓ２）下流にＳｉフォトダイオード検出器があります。

 

 

 

 

＜分光器とＢＬの性能＞

分光器とＢＬの性能は下表２の様です。

表２　ＢＬ９分光器の性能

マウント Monk-Gillieson Type 定偏角回折格子分光器
回折格子 不等間隔刻線平面回折格子（３種類）
300 l/mm(Au), 900 l/mm (Au), 1200 l/mm(Ni)
エネルギー分解能 E／ΔE〜550 　　at Slit=250 μm
E／ΔE〜数1000 at Slit=25 μm
ＢＬ終端での光子数 １　Ｅ１３　(photons/sec/100mA)　（実測）

 

Fig. 3(a)に、ＢＬ９で測定したエネルギー92 eV付近でのクリプトンガス（Ｋｒ）の光イオン化スペクトル（3d5/2,3/2 → np遷移）を示します。出射スリットを５０μｍの時の理論分解能λ／Δλは２５００です。

 

 

 

 

 

(a) 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（ｂ）
　Fig. 3.ＢＬ９で測定した(a):　クリプトンガス（Ｋｒ）の光イオン化スペクトル（3d5/2,3/2 → np遷移）

および (b): フラーレンＣ６０の軟Ｘ線吸収スペクトル

 

 

 

 

＜長尺アンジュレータスペクトル＞

　Fig. 4に蓄積電子エネルギー１．５ＧｅＶ時のＬＵ１次光スペクトルを示します。波長１３．１ｎｍにおける１次光の相対バンド幅λ／Δλは約７０です。
Fig. 5に１．0ＧｅＶ運転時のGap=33 mmにおけるスペクトルを示します。

 

Fig. 4. 蓄積電子エネルギー１．５ＧｅＶ時のＬＵ１次光スペクトル

 

 

Fig. 5. 蓄積電子エネルギー１．0ＧｅV, gap=33 mmにおけるＬＵスペクトル

 

[3]

"Characterization of Light Radiated from 11m Long Undulator",
M. Niibe, M. Mukai, S. Miyamoto, Y. Shoji, S. Hashimoto, A. Ando, T. Tanaka, M. Miyai, and H. Kitamura:
Synchrotron Radiation Instrumentation, AIP Conf. Proc. 705, 576-579 (2004).

 

 

 

＜偏光性＞

　多層膜回転検光子検出器を用いて、ＬＵ光の偏光度を評価した。Fig. 6に本ＢＬで開発した検光子検出器と、それを用いて測定した検出器強度の方位角依存性を示す。

 

Fig. 6. 蓄積電子エネルギー１．0ＧｅV, gap=33 mmにおけるＬＵスペクトル

 

 

[4]

"Polarization Property Measurement of the Long Undulator Radiation Using Cr/C Multilayer Polarization Elements",　
M. Niibe, M. Mukai, H. Kimura, and Y. Shoji:
Synchrotron Radiation Instrumentation, AIP Conf. Proc. 705, 243-246 (2004).

 

 

 

　　
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