研究概要

 放射光(SR)装置に関わるビームライン光学系、光学素子、エンドステーション、材料分析技術について研究を行っている。

 

 兵庫県立大学の付置施設であるニュースバル放射光実験施設において、長尺アンジュレータビームライン(BL09A)を担当。このビームラインにおいて、最高の成果が得られるように努めるのが、私に与えられたミッションである。

 

 キヤノン(株)勤務中より軟X線用多層膜ミラーの作製とその応用研究が、主な研究テーマであった。現在、この技術が次世代半導体製造技術である極端紫外線露光装置(EUVL)として、結実しようとしている。ニュースバルBL9では、EUVL法の技術開発を支援する目的で、軟X線干渉計を用いたEUV投影光学系の波面収差計測法の開発およびEUVL投影光学系のコンタミネーション防止機構の開発を、NEDOの委託を受けた技術研究組合「極端紫外線露光システム開発機構(EUVA)」との共同研究として進めた。

 

 また、ニュースバルにおける材料解析研究の高度化(兵庫県立大学中期計画)の一環として、高輝度アンジュレータ光を用いた軟X線吸収分光(TEY, PEY, TFY)、光電子分光(XPS)の分析ステーションを建設した。さらに2013年度より文部科学省の先端研究基盤共用・プラットフォーム形成事業に参画し、新規の軟X線発光分光分析装置(50〜650 eV)を整備し、その応用研究を進めている。

 

<民間、他大学等との共同研究>

1.EUV絶対波面計測技術の開発,  2001.1〜2008.3, (ASET, EUVA/NEDO)
2.コンタミ付着防止機構の開発,   2003.7〜2009.3, (EUVA/NEDO)
3.ピンホールコンタミネーション低減の研究, 2002.8〜2007.3, (EUVA)

4.各種ダイヤモンドライクカーボン(DLC)の評価  2006.4〜現在 (高度研神田研究室,長岡技科大工、神戸大工、他)

5.各種PVD成膜法によるBN薄膜の構造解析   2006,4〜現在 (兵庫県立大工、井上研究室、清水電設工業)

6.GaN結晶およびTiO2薄膜のプラズマエッチングダメージの解析 2008.12〜現在 (徳島大学工、中部大学総工研、日亜化学)

7,SiC結晶のプラズマエッチングダメージの解析,  2010.12〜現在 (徳島大学工、大阪市大学工)

8. カーボンナノチューブ,グラフェンへのイオン照射効果の研究, 2010.7〜現在(兵庫県立大工、本多研究室、理研/SPring-8,兵庫教育大)

9.軟X線分析技術の高度化の研究         2013.4〜現在 (住友電気工業(株))

10.軽元素軟X線発光分光装置の開発,    2013.4〜現在 ((株)山佳ハイテクノロジー,徳島高氏)

11.大気圧Heパスを用いた軟X線分光分析法の開発  2017.4〜現在 (北海道大学、山口大学)

12.原子状水素を用いた放射光ミラーのオンサイト洗浄法の開発 2018.4〜(兵庫県COEプログラム研究、兵庫県立大工、部家彰氏、他)

13.ホウ素を含む2D単原子層膜の電子状態解析  2019.4〜(東京大学物性研究所、松田厳研究室、客員研究員)

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