研究テーマ;ビーム物理学 


ビーム物理学

  ビーム物理学は、荷電粒子ビームの振る舞いを研究する物理学分野で、電磁気学が基礎となります。


ビーム不安定性

 集団内の荷電粒子は電磁石磁場によるローレンツ力の他に、同じ集団内の他の粒子からの力(space charge force)や、集団が周辺の導体(真空ダクト)に誘起した誘導電荷からの力(wake field)、また集団が発した放射光(電磁波)からの力(radiation impedance)、更には真空中に残留する微量のイオンからの力(ion trapping)など、様々な力によって複雑な動きをします。力の非線形性は、カオス的振る舞いを生み、常に変化する集団自身が作り出す力は、自己増幅するビーム不安定性の原因となります。我々はこれらの現象を理論的、実証的に研究します。


横方向振動と軸方向運動の結合理論
 シンクロトロン内を横方向振動しながら周回する電子は、基準より前に出たり後ろに下がったりします。
 簡単な原理ですが、これを式で表す事は出来ていませんでした。我々はこれが、驚くほど簡単な左式で表現できることを示しました。


ベータトロン振動共鳴

 ベータトロン振動の高次非線形共鳴では、電子ビームの振る舞いはカオス的になります。左図はニュースバルの8極共鳴における、カオス的振る舞いをシミュレートしたポアンカレ図です。


Higher Order Modeビーム不安定性の観測(終了)
修士学生の研究で、国際学会で発表しました。
 蓄積リングの条件(電磁石や高周波加速空洞)のパラメーターを変えると、蓄積されている電子ビームが不安定な状態になります。
 我々は不安定状態の電子ビームをストリークカメラで観測しました。


イオントラップ現象の観測とシミュレーション

 電子ビームが周回している真空管の中にはわずかに残留した気体分子が存在します。 それらが電子との衝突によって陽イオン化し、負電荷を持つ電子ビームが作るポテンシャル内に滞留します。これがイオントラップ現象です。
 我々はイオントラップ発生の条件を探る、シミュレーションプログラムを“LabVIEW”で作成しました(左図)


クロマティシティー変調による不安定性抑制

 SPring-8との共同研究です。交流6極電磁石を使った、まったく新しい不安定性抑制法の実証研究を行いました。
 写真は、この研究にために設計、製作した交流6極電磁石です。