研究テーマ
線形加速器LEENAによるテラヘルツ光源開発

 施設内には蓄積リングの他に、電子エネルギー15MeVの小型線型加速器LEENA(Laser Emitted ElectroN Accelerator)があります。
 これまでは赤外領域自由電子レーザー、ニードルカソード電子銃の解発を行って来ましたが、 現在はより長波長のテラヘルツ波領域(1〜3 THz)の光源開発を行っています。






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◆ビーム物理とは?

 
電子、イオンなどの荷電粒子の集団を加速するとある小さな断面を持ち方向の揃った粒子線の束ができます(荷電粒子ビーム)。 粒子ビームを相対論領域まで加速したり、保持する装置が粒子加速器です。歴史的には、原子核・素粒子研究の実験装置として発展してきましたが、 現在では粒子加速器と荷電粒子ビームの複雑な振る舞の研究が独立して、「ビーム物理学」という一研究分野として扱われます。
 強い荷電粒子ビームの生成、加速、蓄積を安定かつ確実に行うにはビーム物理の理解が重要であり、理論・シミュレーション研究だけでなく実際の加速器を用いた計測も必要になります。
また、加速器を構成する要素技術の開発も重要な研究テーマです。
コンプトン散乱によるγ線応用
 
 電子蓄積リング内を周回する高エネルギー電子ビームに外部からレーザー光を導入・衝突させることによりコンプトン散乱ガンマ線が発生します。
 従来の線源に無い特徴を持つこのガンマ線ビームを使って、光核反応研究、対生成陽電子発生と利用、核変換やガンマ線非破壊検査等への応用研究を実施します。
ビーム物理学(光源開発)

 電子シンクロトロンのビームの振る舞いを扱う物理領域がビーム物理です。この講座では、ビーム物理の原理や応用についての研究を、理論面と実証面から進めます。
 ビーム不安定性は、 電子ビーム自身が発生する場によって、ビーム振動が自己増幅する現象です。我々は、この現象を抑制する新しい方法を提案し、その有効性を実証しようとしています。
 コヒーレント放射は、 光の干渉効果によって放射光強度が数桁上昇する現象です。我々は電子ビームを圧縮したり、特殊な空間構造を作りだす事で、コヒーレント放射を発生する新たな方法を提案し、新たな光源としての開発研究を進めています。
 



ニュースバルの高度化

 ビーム物理講座は、電子蓄積リングの運転、改良と高度化の責任を負っています。蓄積リングの性能を世界レベルに保つ努力なくしては、先端的放射光利用研究はありえません。
 国際レベルの中規模放射光施設の運営をスプリング8のグループと協同で行うことは、、新たな研究テーマを生み出す基礎となっています。
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(加速器のページ)
NewSUBARU

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加速器要素技術の開発

 電子蓄積リングは、高エネルギー粒子加速器の一種で、巨大で複雑な精密装置です。多種類の先端機器の集合体であって、その要素技術の開発も重要なテーマです。
 加速器用ビームモニタ-の開発と、それを使ったビーム診断技術は重要な研究課題です。 特にミクロンオーダーの精密化が進む光源加速の世界では、鍵を握る技術のひとつです。
 加速器用特殊電磁石の開発もテーマです。電磁石磁場は電子ビーム形状に変化を与え、特殊な放射光発生を可能にします。3次元解析を使った設計技術は、他分野の研究開発にも応用できます。
 電子蓄積リング用真空計の開発はスプリング8と共同で行いました。超高真空は多くの工学分野で使われる基幹技術です。
所属学生のテーマは

 ビーム物理講座の研究分野は、理学的物理研究と工学的技術開発が結合した複合領域です。
 研究内容は多岐にわたり、数式を使った理論計算、シミュレーション、加速器運転のオペレーション技術、から、ハードウェアの開発まであります。所属学生は希望と適性に応じて多くの選択肢のなかから自分のテーマを選択します。